紲麻葉の誕生話(その1)
1⃣ 出会い
真和の産着を発表して10年余りが過ぎ、
お客様のお喜びの声をいただく一方で
胸の中に湧き上がるものは、
いつかは自分たちの
オリジナルデザインの麻の葉で仕立てをしたい
との思いでした。
しかし、オリジナルの生地を持つには、
それなりの発注量を示さねばならず、
実現の道は無いものと半ばあきらめておりました。
そんな折に、百貨店の展示会で
ついに奇跡の出会いがございました。
京丹後で縮緬工房を営む井上肇様が、私どもの産着の話に
ご共感くださり1反からでもお引き受けいたしましょうと
協力を買って出てくださることになりました。
右はお引き合わせいただいた、
同じ丹後の紬生地の職人、佐橘時蔵様です。
早速、丹後の工場へ足を運ばせていただくことになりました。
2⃣ 京丹後へ
井上様の営む丸栄織物工場は、京丹後市網野町にございます。
京丹後市は、日本海に面した風光明媚な町です。
(工場すぐそばの夕日ヶ浦)
浦島太郎伝説が残る島児神社
何といっても、丹後ちりめんの故郷として歴史のある町です。
蚕さんを祭ってある蚕織神社
3⃣ 生地の製作
工場で生地が織られているところ
緯糸(よこいと)をセットしているところ
麻の葉柄が織り上がってきました!
完成したオリジナル麻の葉模様の生地!
これで念願のオリジナル生地で産着を作ることが叶います。
井上社長(3代目)とお父様(2代目)
お世話になりました!感謝申し上げます。
井上様には、さらに京丹後の織物工業組合を
見学させていただきました。
着物需要が減り外国産の生地に押される中で、
繭屑も大切に化粧品の材料にして使い切ることを説明を受け、
国産生地を守る作り手の職人魂にも触れることができ、
私ども仕立て職人もその心意気を受け継ぎ、
丁寧に産着を作り続けていくことを
改めて心に誓う京丹後訪問となりました。